TVサウンドシェアは、
暮らしの中で感じた小さな
疑問から始まりました。
「テレビの音量を、家族みんなが同じにする必要があるのだろうか。」
聞こえにくい人は、自分に合った音量で聞く。
家族は、テレビのスピーカーからいつもの音量で聞く。
それが同時にできれば、どちらかが我慢しなくてもいいのではないか。
その考えから、自分で部品を集めて試作品を作りました。
そして実際にテレビにつなぎ、スピーカーとイヤホンから同時に音を
出すことも試しました。
ここまでは、自分で進めることができました。
しかし、その先に進もうとすると、今までとは違う問題が見えてきます。
試作品と製品は違います。
市販の部品を組み合わせて動くことを確認するだけなら、自分でもできます。
しかし、多くの方に使っていただく製品にするためには、
専用の基板を作る必要があります。
ケースも必要です。
音質や操作性、安全性なども考えなければなりません。
さらに、どのように製造するのか。
どのくらいの費用がかかるのか。
実際に販売するとしたら、どんな準備が必要なのか。
ここから先は、一人の力だけでは難しい世界です。
だから現在、私はTVサウンドシェアの考えに興味を持ってくださり、製品化を
一緒に考えてくださる企業や専門家との出会いを探しています。
これまでにも、いろいろなところへ資料を送りました。
難聴や高齢者に関係する団体にも、この取り組みを
知っていただけるよう連絡しています。
すぐに答えが見つかるわけではありません。
連絡しても、返事がないこともあります。
思うように進まないこともあります。
それでも、何もしなければ出会いは生まれません。
一通のメール。
一つの問い合わせ。
一人の方が読んでくださること。
そのどれかが、いつか次の一歩につながるかもしれません。
私は長年、商業デザインの仕事をしてきました。
デザインの仕事も、一人だけで完成するものではありませんでした。
依頼する人がいて、文章を作る人がいて、写真を撮る人がいて、
印刷する人がいる。
それぞれの専門分野の人が力を合わせて、一つのものが完成します。
TVサウンドシェアも同じなのだと思います。
私は、この製品のきっかけとなるアイデアを考えました。
試作品を作り、実際に可能性も確かめました。
そして、どんな人に使ってほしいのかも考えています。
次に必要なのは、私にはできない部分を補ってくださる方の力です。
80代から始めた製品づくりです。
時間も資金も無限にあるわけではありません。
だからこそ、できることを一つずつ進めています。
今日送った一通のメールが、すぐに何かにつながらなくてもいい。
今日この文章を読んでくださった一人の方が、
「こんなものを作ろうとしている人がいるんだ。」
と覚えてくださるだけでも、一歩だと思っています。
一人で生まれた小さなアイデアを、いろいろな人の力を借りながら、
本当に使える製品へ。
TVサウンドシェアは、今、その大切な段階に来ています。