2026年8月10日月曜日

# 【「できるだろうか」から始まった、TVサウンドシェアの試作】

アイデアを思いついたとき、
「これは便利かもしれない。」
と思うことがあります。


しかし、頭の中で考えているだけでは、本当にできるかどうかは分かりません。

TVサウンドシェアも同じでした。

私が考えたのは、

「テレビのスピーカーとイヤホンから同時に音を出し、それぞれの音量を
調節できないだろうか。」

ということでした。


言葉にすると、とても単純です。

しかし、本当にうまくいくのか。

音はきちんと聞こえるのか。

実際に試してみなければ分かりません。


そこで私は、市販されている部品を使って試作品を作ることにしました。

音声を分けるための部品。

スピーカー。

イヤホン。

音量を調節するための部品。

必要になりそうなものを一つずつ組み合わせていきました。


もちろん、最初からきれいな製品の形になっていたわけではありません。

部品とコードをつないだ、まさに「試すための装置」です。

でも、私にとって大切だったのは見た目ではありませんでした。


まず確かめたかったのは、

「考えた方法で、本当に音が出るのか。」

ということです。

テレビにつないで試してみました。

テレビ側の音。

スピーカー側の音。

イヤホン側の音。

一つずつ確認していきます。

そして、スピーカーとイヤホンの両方から同時に音を聞くことができました。

さらに、それぞれで音量を変えることもできました。


そのとき、

「これなら可能性がある。」

と思いました。

もちろん、試作品が動いたからといって、そのまま製品になるわけではありません。


市販の部品を組み合わせた試作品と、多くの方に安心して使っていただける
製品との間には、大きな違いがあります。


音質はどうするのか。

操作をもっと簡単にできないか。

コードや端子はどう配置するのか。

ケースはどのくらいの大きさにするのか。

安全性はどうするのか。

製造するには、どんな基板が必要なのか。

次々と考えなければならないことが出てきます。

でも私は、この試作には大きな意味があったと思っています。


なぜなら、

「こんなものがあったらいいな。」

という想像から、

「実際に動くもの」

へ、一歩進むことができたからです。


私は長年、商業デザインの仕事をしてきました。

仕事でも、最初から完成品を作るわけではありません。

ラフを作り、確認し、直し、また確認する。

その繰り返しで完成へ近づけていきます。


今考えると、TVサウンドシェアの試作も、それとよく似ています。

まず形にしてみる。

使ってみる。

問題を見つける。

そして直していく。


80代になって始めた新しいものづくりですが、長年の仕事で
身につけた考え方が、こんなところでも役に立っています。


まだ完成ではありません。

むしろ、ここからが本当の製品づくりだと思っています。

それでも、最初の試作品から音が聞こえたときの気持ちは、今も忘れていません。

小さなアイデアでも、実際に手を動かしてみれば、次の一歩が見えてくる。


TVサウンドシェアを、本当に必要としてくださる方のところへ
届けられる製品にするために、これからも試行錯誤を続けていきます。







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